ドクターに聞きたいQ&A(関節リウマチの治療についてQ12)
関節リウマチでお悩みの多くの方から当研究所に寄せられたご相談内容の一部を掲載いたします(個人情報は抹消しております)。ご自分の今後の治療にご活用頂けたら幸いです。
Q12.53歳女性です。関節リウマチの急性増悪と診断され、プレドニンからメドロールに変更になりました。治療後2カ月が経過してから、足に力が入りにくくなり、椅子から起き上がるのに苦労するようになりました。炎症反応はなくなっています。リウマチの症状なのでしょうか?
A.高用量ステロイド治療開始から2カ月後の筋力低下は「ステロイド性筋肉障害」と考えます。
ほとんどのステロイドによる筋肉障害は、慢性期に起こります。特徴は、体幹に近い筋肉が弱くなることです。椅子から立ち上がれない、髪を櫛でとくことができないなどが典型的な症状です。
一方、ステロイドのパルス療法などによって起こる急性のステロイド性筋肉障害は、全身の筋肉が崩壊(rhabdomyolysis)し、筋力低下がみられます。
多発性筋炎という膠原病でも同じ症状が出現しますが、その場合は血液検査でCK(クレアチンカイネース)という値が上昇しますので、そこで鑑別がつきます。
治療はステロイド薬の中止です。急に中止するとリウマチが悪化する場合がございますので、主治医とよく相談されてください。ステロイドを中止してから筋力が回復するまでに数週間かかることがあります。
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