ドクターに聞きたいQ&A(関節リウマチの治療についてQ14)
関節リウマチでお悩みの多くの方から当研究所に寄せられたご相談内容の一部を掲載いたします(個人情報は抹消しております)。ご自分の今後の治療にご活用頂けたら幸いです。
Q14.関節リウマチ歴22年の62歳の女性です。現在、プレドニンとプログラフというお薬を1錠ずつ内服して落ち着いています。2日前から右の膝の痛みが出現し、現在はかなり赤く腫れています。関節リウマチがぶり返したのでしょうか?
A.関節リウマチは、左右両側の関節に対称性に起こる慢性炎症ですが、片側だけに起こることも稀ではありません。その場合は、関節リウマチの急性増悪が疑われます。血液検査ではCRPなどの炎症反応が高くなっているはずです。
さて、ここで注意点があります。一つの関節の炎症では、つねに感染性の関節炎(敗血症性関節炎)を念頭に置いておかなければなりません。長期間、ステロイドなどの免疫抑制剤を服用されている方は、とくに注意が必要です。
敗血症性関節炎では、関節リウマチ同様血液検査でCRPなどの炎症反応が高値になります。この鑑別のために、関節穿刺をして関節液を調べる検査は必須です。敗血症性関節炎では、関節液の性状が
- 白血球数の上昇:>2,000ときに>50,000
- 白血球数のうち好中球の割合が75%以上
- 細菌の培養あるいはグラム染色で陽性
- 糖濃度の減少(<25mg/dL)
の所見が認められます。この場合は、外科的に関節に溜まった膿を排出する必要があります。
関節リウマチについてQ&A
関節リウマチの原因についてQ&A
関節リウマチの治療についてQ&A