関節リウマチ医学最新ニュース（６１）
TNF阻害薬無効の関節リウマチ
英国立臨床評価研究所（NICE）が治療ガイダンス草案を発表
英国立臨床評価研究所（NICE）は、初回の腫瘍壊死因子（TNF）阻害薬が無効であった関節リウマチ（RA）に対する代替薬の候補とその使用方法に関する治療ガイダンス草案を発表しました。
NICEは既に、一部の関節リウマチ（RA）患者さんには、従来の治療を試した後にTNF阻害薬のアダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブをオプションとして使用することを推奨しています。
以下に関節リウマチに対するTNF阻害薬による初回治療が無効の場合、または有効性を失った場合の治療選択肢について英国立臨床評価研究所（NICE）の推奨を掲載いたします。
（1）リツキシマブ（リッキサン）は、少なくとも1種類のTNF阻害薬を含む疾患修飾性抗リウマチ薬（DMARD）に十分反応しなかったか、あるいは他の抗リウマチ薬 （DMARD）に忍容性のない成人の重度活動性RA患者の治療選択肢として、メトトレキサート（MTX）との併用が推奨される。
関節リウマチに対するリツキシマブ治療法は6か月に1 回の頻度を超えてはならず、適切な反応（疾患活動性スコアの1.2ポイント以上の改善）が認められた場合にのみ継続すべきである
（2）アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、アバタセプトは、少なくとも1種類のTNF阻害薬を含む他の抗リウマチ薬 （DMARD）に十分反応しないか、他の抗リウマチ薬 （DMARD）に対する忍容性に欠け、リツキシマブまたはMTXが禁忌であるか、あるいは有害事象により両薬の投与が中止された重度活動性関節リウマチ（RA）患者の治療に推奨される。アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、アバタセプトは、開始6か月後に適切な反応が認められた場合にのみ継続すべきである。