関節リウマチ医学最新ニュース（７６）
生物学的製剤による関節リウマチ（RA）治療が皮膚がんのリスクと関係
関節リウマチ（RA）の治療に腫瘍壊死因子（TNF）α阻害薬(生物学的製剤)を使用している患者さんは，非生物学的製剤の抗リウマチ薬（DMARD）を使用している患者さんと比べ非メラノーマ性皮膚がんの発症率が高いことが論文発表されました（Rheumatology 2011; 50: 1431-1439.）。
アメリカ退役軍人局の中央管理データベースから関節リウマチ（RA）患者さん2万648例を抽出。TNFα阻害薬使用群と抗リウマチ薬（DMARD）使用群に分類し，非メラノーマ性皮膚がんの発症リスクを検討しました。
その結果，関節リウマチ（RA）患者さん1,000人年当たりの非メラノーマ性皮膚がんの発症率は抗リウマチ薬（DMARD）群の12.7に対し，TNFα阻害薬群では18.9と有意に高い結果が得られました（ハザード比1.42，95％信頼区間1.24〜1.63）。
非メラノーマ性皮膚がんの危険因子には高齢，男性，ステロイドまたは非ステロイド系消炎鎮痛剤（NSAID）使用歴，悪性腫瘍歴が含まれました。