関節リウマチ医学最新ニュース（８５）
疾患修飾性抗リウマチ薬（DMARD）：若年性関節炎に有効も長期安全性は不明
疾患修飾性抗リウマチ薬（DMARD）は若年性特発性関節炎（JIA）の治療において、NSAIDSのイブプロフェンまたはステロイドよりも有効である可能性がありますが、これらの長期使用を裏付ける強力なエビデンスは少ないとする新たな報告が、米国保健社会福祉省（HHS）の医療研究・品質調査機構（AHRQ）から発表されました。
米デューク大学のエビデンスに基づく診療センター（Evidence-based Practice Center）のメンバーは、若年性特発性関節炎（JIA）治療の選択肢に関するデータを評価することで、疾患修飾性抗リウマチ薬（DMARD）と従来の治療との比較、各種疾患修飾性抗リウマチ薬（DMARD）間の比較、疾患状態に関連する臨床アウトカムの測定に用いるツールの評価を実施しました。
その結果、疾患修飾性抗リウマチ薬（DMARD）は若年性特発性関節炎（JIA）小児の健康アウトカムを改善することが判明しましたが、疾患修飾性抗リウマチ薬（DMARD）あるいは疾患修飾性抗リウマチ薬（DMARD）薬効群を比較するデータは十分ではありませんでした。さらに、現在利用可能なツールでは、疾患状態を正確かつ高感度で検出し記述することはできない可能性があることにも留意すべきであるとしています。
抗リウマチ薬を使用する医師は、医薬品の使用が部分最適にすぎないことは肝に銘じておく必要があり、長期使用による問題をもっと真剣に考えるべきでしょう。