ドクターに聞きたいQ&A(関節リウマチの原因についてQ1〜)
関節リウマチでお悩みの多くの方から当研究所に寄せられたご相談内容の一部を掲載いたします(個人情報は抹消しております)。ご自分の今後の治療にご活用頂けたら幸いです。
Q1.関節リウマチは自己免疫異常といわれていますが、その原因は何でしょうか?
A.現代医学では原因不明といわれていますが、ウイルス、細菌感染を契機とした免疫異常が原因と考えております。
私たちの体には「脆弱性の窓」とよばれる異物の侵入経路が表面に存在します。皮膚や腸がその代表ですが、とくに腸内のパイエル板というリンパ組織から異物を取り込み、それによって免疫系を発達させるという機構があります。
通常は免疫反応を起こさない腸内細菌であっても、腸内細菌叢の変化によって大量の常在菌が侵入したり、病原菌が侵入したりするとそれに応じて免疫反応がおこります。
関節リウマチの場合は、この免疫反応が関節においても起こるため、慢性炎症が持続します。実験では、無菌状態で育てたため腸内細菌もまったくないマウスを、無菌状態を解除し、ある腸内細菌を移植したところ関節炎を発症しました(Immunity 32, 1-13, June 25, 2010)。実際にライター症候群とよばれる反応性関節炎は腸内細菌の感染で起こると考えられています。
「脆弱性の窓」である私たちの腸内などのリンパ組織は、何らかの環境因子によって働きが弱くなったり、異常に高くなったりすることが想定されます。また、個人の遺伝的要因によって、免疫反応がオーバーに出すぎるために、ちょっとした環境の変化(腸内細菌叢の変化)で容易に関節炎が起こると考えています。
この環境因子は普段の生活で唯一改善が可能なリウマチ発症要因であることを肝に銘じる必要があります。
関節リウマチについてQ&A
関節リウマチの原因についてQ&A
関節リウマチの治療についてQ&A