関節リウマチ医学最新ニュース（８１）
自己効力感は関節リウマチ患者の身体活動目標の達成と関連
関節リウマチ（RA）患者さんでは、自己効力感（self-efficacy）を持つことが身体活動目標の達成と関連し、この目標達成は生活の質（QOL）に直接的な影響を及ぼすとする研究が論文掲載されました（Arthritis Care & Researchオンライン版 2011年8月25日）。
今回、関節リウマチ（RA）患者さん271例を対象に、身体活動、身体活動目標の達成、および自己報告による疼痛とQOLの間の相関を検討しています。
この調査では、関節リウマチ（RA）患者さんは身体活動目標を明確に設定し、身体活動、動機づけ、身体活動に対する自己効力感、関節炎疼痛およびQOLを評価する調査票に記入するよう依頼されました。6ヵ月後、被験者は同じ質問票に回答し、身体活動目標の達成度を報告しています。
これらのデータから、身体活動および身体活動目標の達成を、自己効力感と動機づけの間の媒介変数（mediator）、ならびに関節炎疼痛およびQOLの間の媒介変数とする多重媒介モデル（multiple mediation model）を構築しました。
関節リウマチ（RA）患者さん106例が両セットの質問票に回答ました。ベースライン時の自己効力感は、身体活動および身体活動目標達成の次回評価時のレベルを予測しました。目標達成はQOLアウトカムに直接的に影響を及ぼしました。
ブートストラップ法（bootstrapping）による信頼区間に基づくと、QOLおよび関節炎疼痛に対する自己効力感の間接的影響は、目標達成を介して認められたが、身体活動を介しては認められなかった言う結果でした。
関節リウマチ（RA）に代表される慢性炎症疾患でも、精神―神経―免疫が強く関連していることが示唆される論文です。